著者
杉本 任士
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.58-66, 2021-10-25 (Released:2022-10-25)
参考文献数
11

研究の目的 小学校2年生の給食準備・片付け場面において相互依存型集団随伴性による学級規模での介入を行うことによって、学級全体の給食準備・片付けに要する時間が短縮するか検証することを目的とした。研究計画 場面間マルチプルベースラインデザインと基準変更デザインの組み合わせを用いた。場面 公立小学校の通常学級2年生1クラスの給食準備ならびに給食片付け場面であった。参加者 公立小学校2年生の通常学級に在籍する児童25名(男子16名、女子9名)であった。独立変数の操作 強化基準を段階的にあげながら相互依存型集団随伴性による介入とバックアップ強化子の提示を行った。行動の指標 給食準備ならびに給食片付けに要する時間であった。結果 介入期ではベースライン期と比較して、給食準備ならびに給食片付けに要する時間の合計が、約18分から約13分へ約28%短縮された。結論 学級規模での相互依存型集団随伴性による介入とバックアップ強化子を提示することによって、学級全体の給食準備ならびに給食片付けに要する時間の短縮に効果があることが示唆された。手続きなどの社会的妥当性が示された。