著者
尾崎 康子 杉本 宜子
出版者
富山大学人間発達科学部
雑誌
富山大学人間発達科学部紀要 (ISSN:1881316X)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.37-45, 2007-11

乳幼児期に,養育者と子どもとの間の相互交渉を通して愛着が形成されるが,その後,愛着は内在化され,表象レベルの内的作業モデルとして機能するようになる。Bowlbyの愛着理論では,内的作業モデルは,成長の過程でその人の対人関係,情動,行動など広範囲に影響を及ぼし,また一度内在化された内的作業モデルは生涯にわたり変わることがないと言われている。従って,愛着は,乳幼児期のみならず青年期においても連続して機能する重要な課題と言えよう。本研究では,青年期の愛着を質問紙法によって調べるとともに,攻撃性を多次元尺度と表出抑制の表現形式の観点から計測し,青年期の攻撃性のどのような特性が愛着と関連しているのかを検討することを目的とする。