著者
杉本 淳子 内田 洋子
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.22-35, 2020-04-30 (Released:2020-04-30)
参考文献数
49

本稿は英語教員を志望する大学生に必要とされる音声学授業(教職音声学)の試案を示すことを目的としている。発音モデルには一般米語を用い,聞き取りモデルとして多様なアクセントに触れる機会を設けることとする。授業には,「宣言的知識(音声学的知識)」「手続き的知識(音声指導に関する知識)」「発音および聞き取り力の訓練」の三つの要素を含める。また,英語発音のすべての項目を網羅的に扱うのではなく,明瞭度の高い発音につながる音声項目を選定し,優先的に指導すべきである。この授業を通じて,教員志望者は音声指導に必要な知識や手法と,生徒の手本となる明瞭度の高い発音を身につけることを目標とする。