著者
加藤 由樹 加藤 尚吾 杉村 和枝 赤堀 侃司
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.403-414, 2008-03-10 (Released:2016-08-04)
参考文献数
27

本研究では,テキストコミュニケーションの受信者の感情面に及ぼす感情特性の影響について検討するために,電子メールを用いた実験を行った.本実験の被験者は,42名の大学生であった.彼らを,無作為に2人1組のペアにし,電子メールを使ってコミュニケーションを行ってもらった.そして,電子メールを受け取るたびに,どんな感情が生じたか(感情状態)と,送信者の感情状態をどのように解釈したか(感情解釈),について尋ねる質問紙に回答を求めた.また,感情特性の指標である個別情動尺度-IVによって被験者を3群に分類し,受信者による感情解釈と受信者の感情状態の関係と,送信者の感情状態と受信者による感情解釈の関係を,3群で比較した.結果,これら二つの関係は,受信者の感情特性の影響を受けることが示された.結果から,テキストコミュニケーションで生じる感情的なトラブルの原因を考察した.
著者
加藤 由樹 杉村 和枝 赤堀 侃司
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.93-105, 2005
参考文献数
19
被引用文献数
6

本研究は, 電子メールのコミュニケーションで生じる感情に及ぼす, メール文の内容の影響に注目した.本論文は, 研究Iと研究IIから構成される.研究Iでは, 62名の被験者に, 実際に電子メールを使ってコミュニケーションを行ってもらい, ここで収集したデータから, 電子メールの内容と, それを読んだ時の感情的な側面との関係を, 重回帰分析を用いて探索的に調べた.結果から, 「顔文字」, 「性別の返答」, 「質問」, 「強調記号」, 「文字数」の影響が示された.続いて, 研究IIでは, これらの要因の影響を仮説として, 23名の被験者に, これらの要因を操作したメール文を提示して, それを読んだときの感情を測定した.結果から, これらの要因の影響は, 概ね支持された.このことから, 電子メールでは, 自己を強く主張するのではなく, 相手との関わり合いを重視し, 顔文字などを上手く用いることで, コミュニケーションが良好になる可能性が示唆された.
著者
加藤 由樹 加藤 尚吾 杉村 和枝 赤堀 侃司
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.403-414, 2008

本研究では,テキストコミュニケーションの受信者の感情面に及ぼす感情特性の影響について検討するために,電子メールを用いた実験を行った.本実験の被験者は,42名の大学生であった.彼らを,無作為に2人1組のペアにし,電子メールを使ってコミュニケーションを行ってもらった.そして,電子メールを受け取るたびに,どんな感情が生じたか(感情状態)と,送信者の感情状態をどのように解釈したか(感情解釈),について尋ねる質問紙に回答を求めた.また,感情特性の指標である個別情動尺度-IVによって被験者を3群に分類し,受信者による感情解釈と受信者の感情状態の関係と,送信者の感情状態と受信者による感情解釈の関係を,3群で比較した.結果,これら二つの関係は,受信者の感情特性の影響を受けることが示された.結果から,テキストコミュニケーションで生じる感情的なトラブルの原因を考察した.
著者
加藤 由樹 杉村 和枝 赤堀 侃司
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.93-105, 2005
被引用文献数
6

本研究は, 電子メールのコミュニケーションで生じる感情に及ぼす, メール文の内容の影響に注目した.本論文は, 研究Iと研究IIから構成される.研究Iでは, 62名の被験者に, 実際に電子メールを使ってコミュニケーションを行ってもらい, ここで収集したデータから, 電子メールの内容と, それを読んだ時の感情的な側面との関係を, 重回帰分析を用いて探索的に調べた.結果から, 「顔文字」, 「性別の返答」, 「質問」, 「強調記号」, 「文字数」の影響が示された.続いて, 研究IIでは, これらの要因の影響を仮説として, 23名の被験者に, これらの要因を操作したメール文を提示して, それを読んだときの感情を測定した.結果から, これらの要因の影響は, 概ね支持された.このことから, 電子メールでは, 自己を強く主張するのではなく, 相手との関わり合いを重視し, 顔文字などを上手く用いることで, コミュニケーションが良好になる可能性が示唆された.