著者
李 哲権
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究
巻号頁・発行日
vol.41, pp.219-230, 2010-03-31

漱石文学の研究には、一つの系譜をなすものとして〈水の女〉がある。従来の研究は、このイメージを主に世紀末のデカダンスやラファエル前派の絵画との結びつきで論じてきた。そのために「西洋一辺倒」にならざるをえなかった。拙論は、それとはまったく異なるイメージとして〈水の属性を生きる女〉という解読格子を設け、それを主に老子の水の哲学や中国の「巫山の女」の神話との関連で考察する。