著者
李 天成 武田 直和
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.106, no.2, pp.195-200, 2009 (Released:2009-02-05)
参考文献数
13

E型肝炎ウイルス(HEV)はE型肝炎の原因ウイルスで,エンベロープを持たない小型球形RNAウイルスである.少なくとも4つの異なる遺伝子型が存在するが,血清型は同一である.日本におけるHEVは主に輸入感染,動物由来感染,輸血感染という3つのルートで伝播する.E型肝炎の診断にはRT-PCR法とELISA法があり,確実な診断が可能になっている.HEVの感染をコントロールするにはワクチンの開発が必須である.現在,DNAワクチンあるいは組換え蛋白ワクチン開発の研究が進んでいるがまだ実用化されていない.