著者
李 孝徳
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

東アジア系(日系、朝鮮系、沖縄系)移民の第二次世界大戦後の文学表現は、日本の近代文学・比較文学あるいは各国文学研究においては、特殊なものとして個別的にしか扱われてこなかった。本研究では、こうした文学表現を、日本とアメリカ合衆国の植民地主義と人種主義が生み出した環太平洋地域のディアスポラによる、共通した「根こぎ」の経験が普遍的に表されたものと捉え、関係史的な観点から新たな文学研究のアプローチを提示した。