著者
李 孝漌
出版者
筑波大学一般・応用言語学研究室
雑誌
言語学論叢 オンライン版 (ISSN:18826601)
巻号頁・発行日
no.第4号(通巻30号), pp.1-15, 2011-12-31

本研究は現話者の発話を途中で中断させる聞き手からの割り込み発話に焦点を当て、その特徴からなぜ割り込みが生じるのか、またその割り込みによって生じた発話順番システム上の問題がおきた場合、話参加者はどのように対処していくのかについて分析を行った。その結果、発話開始の表明が相手に伝わらなかったことや発話終結の予測が困難であること、聞き手の発話開始への強い意志が見られる場合に割り込みが起きた。このような割り込み発話は現話者の発話順番を侵害することとなるが、会話参加者全員あるいは現話者に発話開始をアピールすることで発話順番を再構築することが観察された。