著者
李 建雨
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.p45-53, 1994-08

1970年代初めから本格化した韓国の重化学工業化政策は,様々な副作用にも拘らず,韓国産業の構造高度化と輸出基盤の確立に大きく寄与した。しかし,一方ではこうした重化学工業化政策が,その推進に必要な資本設備と中間財の輸入を通じて韓国経済の対外依存的,特に対日依存的体質をさらに悪化させたという批判も出てきている。小論では,こうした疑問を背景に,韓国の重化学工業化政策が韓国産業の対日輸入連関構造にどのような影響を与えてきたのかを日韓国際産業連関表を利用して究明しようとする。