著者
李 星洋
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
vol.79, pp.34-39, 2020 (Released:2020-12-14)

中国の档案をめぐる状況は、1987年の档案法が公布されて以降、大きく変わった。档案の保存・管理・公開などが詳細に規定された。海外の一部の研究者は、中国で档案と呼ばれるものには非常にセンシティブな情報が含まれ、それ故に档案館は単なる文書管理だけではなく、権力側で個人情報を把握する国家機関だと考えている。また、档案館は日々国民の日常生活を監視するという冷ややかな評価もある。では実際に中国の档案館はどのような機関なのか、档案管理制度はどのように制定されたのか、かかる問題点を本研究ノートで明らかにしたい。また、档案の管理と利用に関する中国の課題や中国の档案館の特徴を指摘したい。