著者
李 相典
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.70-77, 2018-06-30 (Released:2018-12-14)
参考文献数
18

デスティネーション・ブランド(Destination Brand)に関する研究は1990年代半ばから行われた。これまでデスティネーションに関するブランド視点からの研究は,観光機会の拡大,再訪問客の増加,そして他デスティネーションとの継続的な差別化による競争力確保の必要性が徐々に高くなっている観光環境から起因した。とりわけ,デスティネーション・ブランド・エクイティ(Destination Brand Equity)に関する研究は当該デスティネーションの持続的な競争力の増進による観光客の増加を目標として進められてきた。しかし,デスティネーション・ブランド・エクイティに関する研究はその理論的構造においての限界など,まだ多様な課題を抱えている。本稿では,デスティネーション・ブランドに関する研究の整理とともに,デスティネーション・ブランド・エクイティの特徴と今後の課題に関して検討した。