著者
李 鎮昊 全 炳徳
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集D (ISSN:18806058)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.435-444, 2007

本研究は日本の陸地測量部が当時の朝鮮半島で行った測量の足跡である.特に,当時の朝鮮の政府官僚の対応および地方民の抵抗等について焦点を当てている.また,当時の朝鮮の近代測量の足跡と日本の測量足跡とを対比しながら,朝鮮と日本が取られた近代測量の認識を史料に基づいて考察した.これらの考察より,日本の陸地測量部の朝鮮半島での測量内容や活動,また,それに伴う当時の朝鮮国内の政府官僚および地方民の反応などを明らかにした.この結果から,近代測量において朝鮮の測量認識は日本に比べて非常に低く,これが日本より測量技術の遅れを招いた原因のひとつである分析した.<br> また,本研究では朝鮮半島で活動していた日本の測量技術者たちの測量内容を明らかにし,彼らが活動していた朝鮮と日本の近代測量交流史についても史料に基づいて考察した.