著者
大庭 伸也 村上 陵 渡辺 黎也 全 炳徳
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.163-173, 2019-11-25 (Released:2019-12-01)
参考文献数
26
被引用文献数
3 1

Aquatic insects colonize the swimming pools of schools during the off-season. The present study aimed to investigate 30 swimming pools in southern Nagasaki Prefecture in spring(middle April to middle May)and autumn(late October to early November)2014. We found 11 families of aquatic insects including 9 Heteroptera, and 9 Coleoptera. Appasus japonicus(Heteroptera: Belostomatidae), Hesperocorixa kolthoffi(Heteroptera: Corixidae), and Cybister tripunctatus lateralis(Coleoptera: Dytiscidae)designated as “Red Data List” species(red list species)were collected from the school pools. The community composition of aquatic insects was divided into spring and autumn, and its variance was related to the water temperature and organic matter. The major environmental factor related to the number of red list species was considered to be location near the potential natural habitat of the species. The organic matter falling into the pools affected the existence of Orthetrum species nymphs(Orthoptera: Libellulidae). Odonata nymphs, Notonecta triguttata(Heteroptera: Notonectidae), Anisops ogasawaraensis(Heteroptera: Notonectidae), Aquarius paludum paludum(Heteroptera: Gerridae), and Eretes griseus(Coleoptera: Dytiscidae)were found from most of the pools studied, indicating that these species may be used as teaching materials for science in most schools irrespective of their location.
著者
森田 裕介 藤木 卓 全 炳徳 李 相秀 上薗 恒太郎 渡辺 健次 下川 俊彦 柳生 大輔 中村 千秋
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.197-200, 2005

日韓間のギガビットネットワークを介して, 日本の長崎と福岡, 韓国光州の3地点を結び, DVTSを用いた遠隔交流および遠隔授業を実践した.本遠隔交流・授業が中学生の国際性に与える影響を明らかにするため, 「外国への意識」, 「愛国心」, 「他者理解の態度」, 「興味・関心・意欲」, 「韓国(日本)に対する認識」の5つの観点で質問紙による調査を行った.そして, 本遠隔交流・授業によって, 日韓両国の中学生の外国への意識や自国の建築物に対する愛着, 相手国に対する認識が向上したことを示した.また, 日本の中学生は, 韓国に対する興味・関心, 韓国語学習に対する意欲が向上したことを明らかにした.
著者
瀬戸崎 典夫 森田 裕介 全 炳徳
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.561-562, 2020

<p>本研究は,没入型タンジブル平和学習用VR教材の開発に向けた予備調査を実施することによって,教材に対する興味・関心等の評価を得るとともに,改善点や追加コンテンツを明らかにすることを目的とした.その結果,本教材を使用することで,参加者の興味・関心や,活動そのものに対する集中力を高めることが示された.また,平和教育の実践を想定したコンテンツ開発と授業デザインの考案に加えて,原爆投下前の人々の暮らしをバーチャル環境に提示することで,より実感を高める教材となり得ることが示された.</p>
著者
瀬戸崎 典夫 全 炳徳
出版者
九州地区国立大学間の連携事業に係る企画委員会リポジトリ部会
雑誌
九州地区国立大学教育系・文系研究論文集
巻号頁・発行日
vol.4, no.1,2, pp.No.12, 2017-03

本研究は,全天球パノラマVR教材におけるユーザインタフェースを評価し,評価結果をもとにVR教材を改善した.さらに,小学6年生を対象とした授業実践によって改善した教材を評価することを目的とした.ユーザインタフェースの評価の結果,観察地点や文字,音声などの提示情報の追加が課題であることが示された.そこで,全天球パノラマVR環境を有する観察地点において,2地点のパノラマコンテンツを追加し,各観察地点におけるモニュメント等の現在の写真をVR環境に重畳表示した.さらに,VR環境に重畳表示された写真に,音声による解説と文字による説明を示した.次に,改善した全天球パノラマVR教材を活用し,修学旅行における事後学習を2つの小学校で実践した.その結果,本教材は興味や意欲を高めることができ,振返りの教材として有用であることが明らかになった.また,学習のねらいや活動内容によって,学習者の意欲や長崎にいるような実感に対する評価が異なることが示された.
著者
李 鎮昊 全 炳徳
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集D (ISSN:18806058)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.435-444, 2007

本研究は日本の陸地測量部が当時の朝鮮半島で行った測量の足跡である.特に,当時の朝鮮の政府官僚の対応および地方民の抵抗等について焦点を当てている.また,当時の朝鮮の近代測量の足跡と日本の測量足跡とを対比しながら,朝鮮と日本が取られた近代測量の認識を史料に基づいて考察した.これらの考察より,日本の陸地測量部の朝鮮半島での測量内容や活動,また,それに伴う当時の朝鮮国内の政府官僚および地方民の反応などを明らかにした.この結果から,近代測量において朝鮮の測量認識は日本に比べて非常に低く,これが日本より測量技術の遅れを招いた原因のひとつである分析した.<br> また,本研究では朝鮮半島で活動していた日本の測量技術者たちの測量内容を明らかにし,彼らが活動していた朝鮮と日本の近代測量交流史についても史料に基づいて考察した.
著者
瀬戸崎 典夫 吉冨 諒 岩崎 勤 全 炳徳
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.85-88, 2016

本研究は,遠隔地での学習者に長崎にいるような実感を与え,主体的な学習を促す次世代型平和教育教材の開発を目的とした.そこで,全天球パノラマVR教材を開発し,教育的利用の観点から評価した.その結果,臨場感の高さや印象の強さなどの理由から,実感を高める教材としての有用性が示された.実感を与える効果については,地理的な情報把握や,原爆投下を自分とは切り離した事象として捉える学習者にとって有用であることが示唆された.さらに,本教材のインタフェースが主体的な学習を促す一助となり得ることが示された.一方,コンテンツの充実や発達段階を考慮した授業設計の考案など,改善すべき点が明らかになった.