著者
李 麗麗
雑誌
桜美林言語教育論叢 (ISSN:18800610)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.17-31, 2011-01-01

本稿では、日本語教育専攻の中国人大学院留学生(以下中国人院生)を対象とした半構造化インタビューを通して、中国人院生がアカデミック・インターアクション(AI)に関わる実践共同体へ十全参加を進めていく過程を明らかにすることを試みた。正統的周辺参加理論に沿って分析・考察した結果、以下の3 点の変容が明らかになった。1. 中国人院生のAI 能力の向上の程度には個人差と多様性がある。2. 参加するAI 活動が豊富になり、他者との協働関係と親密関係が構築された。3. 中国人院生のアイデンティティは「日本語学習者」から「日本語先生の卵」、「研究者」などの熟練したアイデンティティに変容した。周辺的参加から十全的参加へと移行する大きな突破口は他者肯定と個人の意欲による情意面の要因に密接にかかわっているが、その根本には研究効力感が重要な役割を担っていることがわかった。
著者
李 麗麗
出版者
桜美林大学言語教育研究所
雑誌
桜美林言語教育論叢 (ISSN:18800610)
巻号頁・発行日
no.7, pp.17-31, 2011

本稿では、日本語教育専攻の中国人大学院留学生(以下中国人院生)を対象とした半構造化インタビューを通して、中国人院生がアカデミック・インターアクション(AI)に関わる実践共同体へ十全参加を進めていく過程を明らかにすることを試みた。正統的周辺参加理論に沿って分析・考察した結果、以下の3 点の変容が明らかになった。1. 中国人院生のAI 能力の向上の程度には個人差と多様性がある。2. 参加するAI 活動が豊富になり、他者との協働関係と親密関係が構築された。3. 中国人院生のアイデンティティは「日本語学習者」から「日本語先生の卵」、「研究者」などの熟練したアイデンティティに変容した。周辺的参加から十全的参加へと移行する大きな突破口は他者肯定と個人の意欲による情意面の要因に密接にかかわっているが、その根本には研究効力感が重要な役割を担っていることがわかった。