著者
髙橋 仁大 柏木 涼吾 岡村 修平 大澤 啓亮 村上 俊祐
出版者
日本スポーツパフォーマンス学会
雑誌
スポーツパフォーマンス研究 (ISSN:21871787)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.267-276, 2022 (Released:2022-11-29)
参考文献数
21

本研究は,大学女子テニス選手1 名を対象に,サービスのパフォーマンス向上を目的とした取り組みとその効果を事例的に検討したものである.対象とした女子選手は,比較的身長が高く,サービスを自身の武器として認識しており,そのパフォーマンスをさらに向上しようとする意欲を持っていた.指導者は対象とした選手のサービスの能力について高く評価しており,そのパフォーマンスをより良くすることを目指した.サービスのパフォーマンスを向上するための主な取り組みとして,技術面の具体的目標は1st サービスのスピードを上げることと,2nd サービスの回転数を増やすことを目指すものであった.およそ5 ヶ月間の取り組みの中では,スイングスピードを向上することや,回転数を増やすためにスイングの方向やラケットとボールの当て方を修正することなどを試みた.取り組みの前後で,対象選手の1st サービスのスピードは速く,2nd サービスのスピードは遅くなっていた.2nd サービスの回転数は大きくなる傾向にあった.また打点の高さが有意に低くなっており,1st サービスのスピードの向上に貢献していると考えられた.2nd サービスの回転数の増加には技術的課題の克服が貢献していると考えられた.