著者
吉田 麗玖 増村 侑希 笠原 一希 村上 優太 佐藤 成 中村 雅俊
出版者
新潟医療福祉学会
雑誌
新潟医療福祉学会誌 (ISSN:13468774)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.71-77, 2023 (Released:2023-03-31)
参考文献数
11

本研究の目的は、異なる角度のインクラインベンチプレスにおいて、大胸筋の鎖骨部・胸肋部、三角筋前部線維、上腕三頭筋の筋活動の違いを明らかにすることである。対象はレジスタンストレーニングの経験がある健常成人男性16名とした。相対重量として各傾斜角度における1RMの70%の重量、絶対重量として40kgを負荷として設定し、各傾斜角度において筋電図測定を行った。結果は70%1RM条件にて、大胸筋胸肋部で傾斜角度の増加により有意に筋活動が減少した。一方、他の部位では、各傾斜角度において筋活動に有意な差は認められなかった。また、40kgの条件では、大胸筋鎖骨部、三角筋前部では傾斜角度の増加により筋活動は増加し、大胸筋胸肋部では筋活動が減少した。本研究の結果、70%1RMの重量において、フラットベンチプレスが4筋に高い筋活動を生じさせる最も効率的な種目であると示唆された。一方、同じ重量を用いた場合、20°、40°、60°のインクラインベンチプレスにおいて大胸筋鎖骨部の高い筋活動を生じさせる種目であると示唆された。