著者
河野 修一 江崎 次夫 原 浩之 村上 博光 木原 辰之 中山 累 寺本 行芳 金 錫宇 全 槿雨 松本 淳一 土居 幹治 村上 尚哉
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.119-122, 2020-08-31 (Released:2020-12-25)
参考文献数
4

集中豪雨で山腹斜面が崩壊した跡地に施工された筋工の平坦部に3年生のヒノキを植栽する際に,活着率の向上とその後の旺盛な成長を期待して,植え穴に「くらげチップ」約100 gを施した。10年後の施用区の樹高は722 cm,根元直径は112.2 mmあった。これに対し,無施用区のそれらは,それぞれ547 cm,84.8 mmであった。施用区と無施用区との間に枯損率,樹高および根元直径共に,0.1%レベルの有意差が認められた。このような相違が認められたのは,土壌改良材の持つ水分保持能力と分解後の栄養分が効果的に作用したことによるものと判断された。しかし,樹高と根元直径の伸長率は10年目で,ほぼ0に近い値となり,その効果の持続期間は10年程度と考えられた。