著者
村上 直子 原 浩貴 山下 裕司
出版者
特定非営利活動法人 日本気管食道科学会
雑誌
日本気管食道科学会会報 (ISSN:00290645)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.43-47, 2004

喉頭肉芽腫は声帯突起部に好発する炎症性の腫瘤であるが,しばしば再発し治療に難渋することのある疾患である。今回我々は喉頭肉芽腫の9症例に対しレバミピドとセラペプターゼの2剤併用の内服加療をおこなった。その結果,9例中5例(56%)で肉芽腫が消失した。肉芽腫消失までの期間は最短で21日,最長で91日であった。5例中3例は術後再発の症例であった。また1例はPPIの無効例であった。また5例全例とも投与後に最短10日,最長28日で肉芽腫の縮小効果が確認された。消失した5例で,内服終了後に再発したものはなかった。<br>今回の結果から,喉頭肉芽腫が消失した原因は主として血中レバミピドの炎症抑制作用が喉頭粘膜に影響を及ぼしたためではないかと推察した。また無効であった4例では,血中濃度が充分でなかった可能性と,レバミピドでは胃酸逆流の防止が困難なほど重度なGERDが潜んでいた可能性を推察した。
著者
原 浩貴 村上 直子 山下 裕司
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.245-252, 2003-02-28 (Released:2011-03-01)
参考文献数
14
被引用文献数
2

2001年5月より2002年4月までの1年間に, いびき・OSAS患者32名に対し睡眠中のいびき音をMDに録音した後, マルチディメンジョナルボイスプログラムを用いて音響解析を行った.その結果, 周波数分析上, 単純いびき症例では, 基本周波数を中心とした一峰性のピークを持つものがほとんどであるのに対し, 閉塞性睡眠時無呼吸症候群例では, 1kHz以上の高周波数帯に複数のピークを持つ傾向がみとめられた.また雑音成分は, 単純いびき症でSPIが高く, 閉塞性睡眠時無呼吸症候群例でNHRが高い結果がえられた.