著者
村井 昭夫
出版者
The Japanese Society of Snow and Ice
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.341-351, 2005-07-15 (Released:2010-02-05)
参考文献数
16
被引用文献数
3

ペルチェ効果を利用して雪結晶を生成する装置を考案した.本装置は,大型のペルチェ素子を多段化し水冷方式で使用する事により,室内で-30℃程度までの低温環境を実現しながら,電圧を調節することで,結晶生成領域の温度と水温,すなわち水面から発生する水蒸気量を変化させ,簡単に雪結晶を生成することができる対流型の人工雪発生装置である.筐体に発泡スチロールを使用するなどの工夫によって,装置の製作が容易であり,同時に小型で移動もできるという利点を持つ.これは,従来の対流型や拡散型装置のように低温室など大がかりな装置や,冷媒を使用する複雑な付加装置が不要である.本論文では,この装置の基本原理およびその構成を述べ,本装置によって作られた雪結晶のいくつかを紹介する.