著者
村岡 ひとみ 佐藤 陽治
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.207-216, 2014-07-20 (Released:2014-10-21)
参考文献数
2

平成25年、わが国の再生医療・細胞治療の実用化を目的とした3つの重要な法律が成立した。これらの法律では、再生医療・細胞治療の臨床試験や関連する産業に対する規制について、新たな整備が行われている。特に重要な変更点としては、薬事法改正により「再生医療等製品」が「医薬品」や「医療機器」から独立した新しいカテゴリーとして分類され、一部の再生医療等製品については条件及び期限つき承認制度が導入されたことと、再生医療等安全性確保法により、医師が患者から採取した細胞を医療のために加工する作業を外部事業者に委託することが認められたことが挙げられる。本稿では、これらの新たな再生医療等に関する規制について概説するとともに、再生医療の早期実用化に必要なレギュラトリーサイエンス上の課題について解説する。