- 著者
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細馬 宏通
村岡 春視
- 出版者
- 社会言語科学会
- 雑誌
- 社会言語科学 (ISSN:13443909)
- 巻号頁・発行日
- vol.25, no.1, pp.230-237, 2022-09-30 (Released:2022-10-19)
- 参考文献数
- 9
遠隔コミュニケーションの相互行為分析においては,レイテンシ(遅延)をどのように扱うかが重要となる.本論では,参加者全員を機器なしに同時に俯瞰する絶対時系列と,各参加者から見た相対時系列とを区別し,レイテンシが各参加者にどのような影響を与えるかを,単発のできごとのずれ,同期のずれ,参加者間で認知される発話間沈黙の相違,複数の聞き手が次の話し手として同時に発話を開始する場合のオーバーラップ,聞き手による次の話し手選択と話し手による継続とのオーバーラップの場合に分けて図式化した.また,レイテンシを伴うコミュニケーションの収録方法,および,既成の動画データを分析する際に相対時系列を再現する方法について述べ,その具体的な手続きを簡単な事例分析で例示した.