著者
村永哲郎 守安 隆 友田 一郎 水谷 博之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.34, no.6, pp.1395-1405, 1993-06-15
被引用文献数
6

共同文書作成作業における複数ユーザ間の情報の共有と、コミュニケーションを支援する環境を提供するために、マルチユーザ・ハイパーメディアシステムMuHyme(Multi-User Hypermedia)を開発した。Mu-Hymeでは墓盤データベースとしてハイパーメディアを採用し、相互に関連するマルチメディア情報を長期間にわたって共有一元管理することを可能とした。またリンクづげ操作として、ノードヘのコメントづけを導入することにより、協調作業における基本的なコミュニケーション手段を提供している。これにより複数のユーザが文字や図形、静止画、音声を含むマルチメディア文書を共有して、その文書に非同期的にコメントづけを行って議論することを可能とした、MuHymeの特徴は、(1)ハイパーメディアのノード更新に、チェックイン・チェックアウト操作に墓づくデータ更新モデルを導入し、長時間セッションにおいて他のユーザの作業進行を妨げないようにした、(2)他のユーザの操作をメッセージにより通知し合うメカニズムを提供することにより,協調的なアクセスを可能とした、(3)文書のバージョン管理と議論の履歴管理とを統合し、議論の繰り返しを防ぐようにしたことにある。MuHymeは実験システムの開発を終了し、利用評価を行っている。本論文では、MuHymeの特徴的なグループウェア機能の設計と実現、利用評価について述べる。