著者
村野 政生 吉村 智美
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.55, no.12, pp.927-931, 2004-12-15

再使用PETボトルの衛生性を調べるために,新品のボトルと比較しながら食品用擬似溶媒(蒸留水,4%酢酸,20%エタノール,n-Heptane)を用いて溶出試験を行った.全溶出量と高速液体クロマトグラフによるPET樹脂出来のモノマー・オリゴマー類(テレフタール酸:TPA,ジメチルテレフタール酸:DMT,モノヒドロオキシテレフタール酸:MHET,モノメチルテレフタール酸:MMT,ビスヒドロオキシテレフタール酸:BHET,エチレンテレフタレート環状三量体:CT)を定量した.その結果,全溶出量もモノマー・オリゴマー類も再使用したボトルの方が新品のボトルに比して溶出量が多いことが判った.また,繰り返し回数が増えるに従い溶出量も増加し増加の仕方も溶出溶媒に依存する事が明らかになった.但しその溶出量は極めて低く,現段階ではその衛生性は高いといえるが,繰り返し回数については注意する必要があると考えられる.