著者
村野 政生 吉村 智美
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.55, no.12, pp.927-931, 2004-12-15

再使用PETボトルの衛生性を調べるために,新品のボトルと比較しながら食品用擬似溶媒(蒸留水,4%酢酸,20%エタノール,n-Heptane)を用いて溶出試験を行った.全溶出量と高速液体クロマトグラフによるPET樹脂出来のモノマー・オリゴマー類(テレフタール酸:TPA,ジメチルテレフタール酸:DMT,モノヒドロオキシテレフタール酸:MHET,モノメチルテレフタール酸:MMT,ビスヒドロオキシテレフタール酸:BHET,エチレンテレフタレート環状三量体:CT)を定量した.その結果,全溶出量もモノマー・オリゴマー類も再使用したボトルの方が新品のボトルに比して溶出量が多いことが判った.また,繰り返し回数が増えるに従い溶出量も増加し増加の仕方も溶出溶媒に依存する事が明らかになった.但しその溶出量は極めて低く,現段階ではその衛生性は高いといえるが,繰り返し回数については注意する必要があると考えられる.
著者
吉久 采花 嶋田 啓太 吉村 智美 山口 公志 川崎 努
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.7, pp.396-403, 2020-07-01 (Released:2021-07-01)
参考文献数
36

植物は,微生物の種類を識別する能力をもち,病原菌に対しては感染を阻止するための防御反応を誘導し,共生菌に対しては,菌の侵入を受け入れるための共生反応を誘導する.このような微生物の識別は,植物の細胞表面あるいは細胞内に存在する受容体を介して行われる.植物の病原菌認識受容体の構造や働きは,動物の自然免疫で働く受容体と酷似していることから,病原菌に対する植物の防御応答は,植物免疫と呼ばれている.一方,病原菌は,エフェクターと総称される分子を獲得し,その働きにより植物の免疫反応を阻止し,感染を成立させている.そこで,ここでは植物免疫の誘導機構と,エフェクターによる病原菌の感染戦略に関して,最近の知見を紹介する.
著者
斎藤 彰 矢野 昌裕 岸本 直己 中川原 捷洋 吉村 淳 斎藤 浩二 久原 哲 鵜飼 保雄 河瀬 真琴 長峰 司 吉村 智美 出田 収 大沢 良 早野 由里子 岩田 伸夫 杉浦 巳代治
出版者
日本育種学会
雑誌
育種学雑誌 (ISSN:05363683)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.665-670, 1991-12-01
被引用文献数
23 92

Restriction Fragment Length Polymorphism(RFLP)法を用いて,主にインド型イネ,Kasalathと日本型イネ,遺伝子標識系統FL134の間でRFLPを示すDNA断片を検索し両品種を親とするF_2集団144個体の分離調査から,遺伝子連鎖地図を作成した.この地図の全長は1,836cMであり,従来の形態,生理-生化学的遺伝子地図(木下1990)及びこれまでに発表されているRFLP地図(McCOUCH et al1988)よりそれぞれ58.5%および32.2%長い.従って,これらのRFLP・DNAマーカーを用いてすでにマップされている遺伝子や末だマップされていない遺伝子を今後効率的に,正確にマップできると推定された.