著者
岩田 啓子 杉本 優弥 東 勇気 月岡 雄治 桐山 正人
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.114, no.8, pp.1454-1459, 2017-08-05 (Released:2017-08-05)
参考文献数
17

症例は21歳男性.新生児期に食道閉鎖症と診断され,開腹手術下に胃瘻を造設された.経口による栄養摂取が可能となった生後7カ月に胃瘻カテーテルを抜去され自然閉鎖したが,21歳時に瘻孔閉鎖部位が再開通し唇状瘻を形成した.唇状瘻からの胃内容物の流出が多く,受診時には瘻孔周囲に皮膚びらんを形成していた.確実で再燃のない治療方法として開腹手術による瘻孔切除術を選択し施行した.術後は問題なく学生生活を送っている.