著者
東畑 隆介
出版者
慶應義塾大学
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.339-360, 1980-03

本稿は、ハノーファー国王エルンスト・アヴグストによる憲法廃止を契機として生じたハノーファー王国の憲法紛争の一環として、ゲッティンゲン大学の七教授が王の憲法廃止に抗議し、罷免された「ゲッティンゲン七教授事件」を考察しようとするものである。この事件に関しては、既に千代田寛教授が大部の論文を発表していられる。千代田教授は主として大学史の観点からこの事件を考察しておられるが、事件の憲法史的側面をも詳細に記述しておられる。従って、この事件に関して、私が付け加えることの出来る余地は殆んどないように思われる。しかし、この事件は、ドイツにおいても有名な割りに本格的な研究書に乏しいため、事実的な経過に関して必ずしもよく知られていないように思われるので、本稿では、事件の事実的な経過を出来るだけ詳細に記述することに留意した。