著者
加藤 真二 東野 友寛 中村 真通
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.102-111, 2020 (Released:2020-07-31)
参考文献数
28

【目的】月経痛・月経随伴症状の成因の一つとして心理的要因が背景にあると考えられている。 本研究では月経痛・月経随伴症状と性格について関連性を検討した。 【方法】インフォームドコンセントを得た月経のある女性を対象とした。 年齢・身長・体重、 月経痛の程度、 月経随伴症状、 性格について質問紙調査を実施し、 月経痛・月経随伴症状と性格との関連についてスピアマンの相関分析を行った。 【結果】250名に質問紙を配布し166名から回答を得た。 「神経質」 は月経痛や月経随伴症状の複数因子、 「抑うつ性」 は月経随伴症状の複数因子との間に相関が見られた。 この他 「攻撃性」・「劣等感」・「非協調性」 は月経随伴症状の負の感情因子との間に相関が見られた。 【考察】「神経質」・「抑うつ性」 では、 月経時に血行障害やセロトニン不足の影響を強く受けて症状が強くなるのではないかと考えた。 また 「攻撃性」・「非協調性」・「劣等感」 における抑うつ的な側面が月経随伴症状の負の感情因子に影響を与えている可能性が考えられた。 【結語】「神経質」 は月経痛や月経随伴症状の複数因子、 「抑うつ性」 は月経随伴症状の複数因子との間に相関が見られた。