著者
寺本 辰之 早田 亮 大森 眞由美 秦 恭裕 坂尾 良美 加藤 泉 松下 久美子
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.48-52, 2003-01-01

2001年2月9日(現地時間),太平洋ハワイ沖にて,愛媛県立宇和島水産高校実習船「えひめ丸」が,アメリカ合衆国海軍の原子力潜水艦「グリーンビル」に衝突され,沈没する事故が発生した.直ちに知事を本部長とする愛媛県対策本部が設置され,県精神保健福祉センターを中心としたケアが検討された.しかし,地元の被害者が多数いることから,保健所としても早急な対処が必要と判断し,支援活動を開始した. 「えひめ丸」には,生徒(事故当時2年生)13人,指導教官2人,乗組員20人の総勢35人が乗船していた.事故直後,26人が救助艇に避難したが,生徒4人,指導教官2人,乗組員3人が行方不明となった.10月の船体引き揚げ時に,行方不明者9人のうち8人の遺体は収容され,身元確認がされたが,残る生徒1人の遺体は発見されなかった.
著者
田所 学 高橋 美穂子 松下 久美子
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.229-238, 2017 (Released:2017-06-29)
参考文献数
31

【目的】緩和ケア病棟実習における医学生の学びの内容と同病棟に対するイメージの変化を明らかにする.【方法】医学生20名を対象に質問紙調査を行い,Berelsonの手法により分析した.【結果】学びの内容として「患者・家族のQOLの向上を目的とした具体的なケア」「緩和ケアの概念・提供体制・効果に関する新たな気づき」「がん終末期における緩和治療の実際」「緩和ケア病棟の医療における位置づけ」「適切なコミュニケーションによる患者・家族とスタッフとの信頼関係の構築」「各職種の特徴とチームケア」「患者・家族に向き合うスタッフの姿勢」「看取りに立ち会えた学生の経験」「患者・家族の抱える思い」「がんの疾患特性とその脅威」「スタッフの悲嘆とメンタルケアの必要性」が抽出された.イメージは,否定的・静的から肯定的・動的へと変化した.【結論】医学生は患者・家族やスタッフとの直接的な関わりから基本的緩和ケアを学んだ.