著者
松下 芳之
出版者
東京海洋大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2019-04-25

多くの海産養殖魚種はDHA合成に関わる脂肪酸不飽和化酵素の活性を欠損しており、健全な成長に必要なDHAを自ら合成できない。しかし、淡水に進出した一部のカレイ目魚類は特殊化した当該酵素を有しており、DHAを自ら合成できることが明らかになっている。本研究では淡水産カレイに倣い、海産カレイの当該酵素をゲノム編集により僅かに改変することで特殊化させ、個体にDHA合成能を付与することを目的とする。これにより、DHAを自ら合成できる海産養殖魚を作出する技術基盤を構築し、餌料のDHA源として魚油を必須とする従来の「魚から魚をつくる」海産魚養殖からの脱却を目指す。