- 著者
-
齋藤 崇志
矢田部 あつ子
松井 孝子
清水 朋美
- 出版者
- 一般社団法人 日本老年療法学会
- 雑誌
- 日本老年療法学会誌 (ISSN:2436908X)
- 巻号頁・発行日
- vol.2, pp.1-9, 2023-09-14 (Released:2023-09-22)
- 参考文献数
- 18
目的:ロービジョンケア(LVC)は,視機能低下を有する人々の生活の質の向上を目指すサービスであり,LVCに関わる医療や福祉の有資格者(LVC専門職)によって実施される。本研究の目的は,高齢者介護の専門職(医療介護職)とLVC専門職の間の連携の実施状況,ならびに,医療介護職による視機能把握の実施状況とLVCに関する認知度を明らかにすることである。方法:調査会社にモニター登録している医療介護職(介護福祉士,介護支援専門員,看護師,理学療法士,作業療法士)を対象としたオンラインアンケートを実施した。LVC専門職との連携経験,高齢者の視機能の把握状況,LVCに関する認知度の3項目を調査した。解析として,記述統計の算出と,職種間の差異を検討するためz検定を実施した。結果:1,011名から有効回答を得た。眼科医との連携経験を有する者が73.59%,視能訓練士との連携が45.1%であった。78.93%の対象者が高齢者の視機能を「把握している」と回答し,57.86-63.40%の対象者が各LVC専門職の名称を「聞いたことがあり意味も知っている」と回答した。介護職は,リハ職・看護師と比べ,連携経験(ある)と視機能の把握状況(把握している),LVCに関する認知度が有意に高かった(p<0.05)。結論:両専門職の連携の現状,医療介護職の視機能の把握状況とLVCに関する認知度が明らかとなった。連携の発展に向けて関連知見の蓄積が必要である。