著者
紀谷 文樹 松井 美子
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会 論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.42, pp.29-36, 1990

本報は,筆者らが生命維持・衛生保持の水準を考慮した限界水量として定義したミニマム水量に関連して,手洗いの場合を対象として,細菌学的な手法によって行った実験的研究の報告である.被験者の個人差(手の表面の状態,手洗いの頻度・方法などの習慣)を考慮しながら,水栓の種類(胴長横水栓と泡沫水栓),洗い方(流し洗いとため洗い),水量と流量,石けん使用の有無,手洗い時間などの組合せを変えた実験を行った.実験の結果から最も洗浄効果の上がる方法を見いだすとともに,手洗いの最低必要水量を算出し,ミニマム水量算定のための基礎資料を提出している.