著者
松井 達郎 小島 裕史 薮 穣
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.117-123, 1999-01-10 (Released:2009-11-12)
参考文献数
4

湿気硬化1液型シーリング材の材料設計, 施工設計において硬化速度を把握しておくことは重要である.大気中の湿気によって硬化していく代表的な4種類の素材を用いて硬化速度を実測し, そのモデルについて検討した.擬定常状態を仮定すると硬化時間は硬化厚みの2次関数で表現できる.そのパラメーターを実験により求め, それの物理的意味を考察した.パラメーターは膜素材と硬化機構により決定される.硬化速度を速くするには膜の水分透過速度を速くすれば良くこの相関は実験値と本モデルの計算値と良く一致した.しかし低湿度領域で硬化速度が遅くなる系は反応機構に依る所が大きい.本モデルは逆反応が無視できない硬化機構や, 硬化膜が十分形成されていないで擬定常モデルが成立しない領域では再考を要する.