著者
泉 利雄 阿南 壽 松家 茂樹
出版者
福岡歯科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

生体内で骨形成を促進するSrは,骨粗鬆症の薬として使われている.骨補填材骨と一体化するため骨補填材として使われるガラスにSrを添加して作製した試作ガラス粒子は,骨再生を促進する可能性があることが示唆された.ガラスから骨組織内へSrが徐放されるためと考えられる.試作ガラス粒子を硬化させ骨内欠損部を埋めるために 酸と練和して硬化体を作製した.γ‐ポリグルタミン酸を使用した場合は骨欠損部から硬化体が流出しやすいが,骨形成を促進する可能性が示唆された.
著者
松家 茂樹 松家 洋子 山本 泰 山根 正次
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
Dental Materials Journal (ISSN:02874547)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.210-219, 332, 1984-12-25
被引用文献数
10 38

酢酸,乳酸,クエン酸および塩酸中におけるグラスアイオノマーセメントの侵食過程を化学分析,SEM観察および赤外吸光分析により検討した。各酸の陰イオンとAl又はCaとの錯体の安定度定数が大きい程あるいは,酸溶液のpHが低い程,Al,Ca,Na,SiおよびFの溶出量が多くなった。SEM観察により,0.01Mクエン酸および塩酸中ではセメントマトリックスが溶解することが分かった。0.01Mクエン酸および塩酸中では,セメント浸漬後に白色沈殿が生成した。その沈殿は,水和ケイ酸質ゲルであることがIRスペクトルによりわかった。