著者
小松 怜史 松尾 豊史 三浦 智久 石川 哲哉
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.10, pp.22-00212, 2023 (Released:2023-10-20)
参考文献数
23

洋上風力発電設備コンクリート浮体の疲労特性を解明するため,本研究では縮小部分模型供試体を製作し,供用環境を想定した各種条件(水の有無,応力強度比など)にて常時圧縮応力下での疲労載荷実験を行った.結果,コンクリート内に湿潤する水の影響により水中では気中と比べ疲労寿命が2オーダー低下することなどが示された.また最大振幅の応力強度比が大きい場合,接合部近傍では部材中央部と比べて疲労寿命が低下する傾向にあった.具体的には最大振幅が応力強度比70%の場合,接合部近傍が中央部と比べ疲労寿命が1オーダー短くなった.接合面の面着状態が大きく影響していると考えられる.なお本実験の範囲内では,現行のコンクリート標準示方書の疲労強度式を適用して,PRC部材(設計基準強度60N/mm2相当)の疲労寿命を概ね評価可能であった.