著者
松山 旭 丸山 仁司 鈴木 康文
雑誌
名古屋市立大学看護学部紀要 = Bulletin of Nagoya City University School of Nursing (ISSN:13464132)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.1-7, 2008-03

本研究の目的は、要介護者への電気刺激による筋力増強効果と安全性を検討することである。要介護者8名に対して、両大腿四頭筋への電気刺激を4週間行い、筋力は膝伸展筋力で、安全性を循環反応、皮膚症状、疼痛で検討した。患肢においては有意差が認められ、筋力増強効果がみられた。また、筋力の低い症例についても増強効果の可能性が考えられた。安全面の検討においては、電気刺激前後で血圧、心拍数に有意な差はなく、皮膚状態の異常、疼痛もみられなかった。これらから、筋への電気刺激を安全に施行できる可能性が示唆された。今回の研究において、要介護者への電気筋力刺激による増強効果と、安全に行える可能性が示唆されたが、今後、疾患の検討や、刺激中のモニタリング等を含め、症例数を重ねていくことが課題として挙げられた。