著者
直井 俊祐 勝平 純司 丸山 仁司
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.539-542, 2014 (Released:2014-09-25)
参考文献数
15

〔目的〕リュックサックの有無および重量の違いが立位姿勢に及ぼす影響を運動学・運動力学的に明らかにすることとした.〔対象〕健常若年群16名と健常高齢群8名とした.〔方法〕三次元動作解析装置と床反力計を用いて立位姿勢の計測を行い,リュックサック重量の増減に対する変化を群間ごとに比較した.〔結果〕リュックサックの重量増加に伴い,骨盤前傾角度と腰部屈曲モーメントが両群とも有意に増加した.股関節屈曲モーメントは若年群で有意に増加し,高齢群で有意でないものの増加傾向を示した.〔結語〕リュックサックの重量増加により腰背部の負担が軽減される現象は若年者と高齢者で共にみられた.
著者
牛 志馨 霍 明 丸山 仁司
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.557-560, 2010 (Released:2010-09-25)
参考文献数
9
被引用文献数
3

〔目的〕本研究は膝関節運動における足関節の角度の変化への影響について検討した。〔対象と方法〕対象は健常男性30名(20.6±2.4歳)とし,等速性筋力訓練機器を使用して膝屈伸運動時足関節の角度を4条件(背屈位,底屈位,背屈から底屈,底屈から背屈)として角速度60°/secで屈曲,伸展の最大筋トルク,最大筋トルク/体重比を測定した。〔結果〕4条件の中で,膝関節最大筋トルク/体重,最大筋トルク,最大筋出力は足関節が常に背屈位の時に他の肢位よりも有意に高値を認めた。〔結語〕膝関節のトレーニングの際に,足関節を背屈位にして行えば,膝屈伸筋力をより発揮し易いことが示唆された。
著者
伊藤 将円 井川 達也 原 毅 丸山 仁司
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.450-458, 2020 (Released:2020-10-20)
参考文献数
31

【目的】高齢者における歩行器・歩行車の種類の違いによる膝関節内反モーメント(以下,KAM)の変化を明らかにし,どの補助具が関節負担の軽減に有用か明らかにする。【方法】対象は65 歳以上の高齢者19 名とした。各対象者に独歩,車輪付き歩行器,椅子付き歩行車,前腕支持台付き歩行車の4 条件を計測した。KAM 最大値,膝関節内反角度,床反力を条件間で比較した。【結果】KAM は,補助具すべてで独歩と比較し有意に減少,椅子付き歩行車と前腕支持台付き歩行車が車輪付き歩行器と比べ有意に減少した。膝関節内反角度は椅子付き歩行車,前腕支持台付き歩行車が車輪付き歩行器と比較し有意に減少した。床反力鉛直方向成分は補助具すべてで独歩と比べ有意に減少,前腕支持台付き歩行車は車輪付き歩行器,椅子付き歩行車と比較し有意に減少した。【結論】椅子付き歩行車と前腕支持台付き歩行車は独歩や車輪付き歩行車と比較してKAM の減少を認めた。
著者
湯口 聡 丸山 仁司 樋渡 正夫 森沢 知之 福田 真人 指方 梢 増田 幸泰 鈴木 あかね 合田 尚弘 佐々木 秀明 金子 純一朗
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.D0672, 2005

【目的】<BR> 開胸・開腹術後患者に対して呼吸合併症予防・早期離床を目的に、呼吸理学療法・運動療法が行われている。その中で、ベッド上で簡易に実施可能なシルベスター法を当院では用いている。シルベスター法は両手を組み、肩関節屈伸運動と深呼吸を行う方法で、上肢挙上で吸気、下降で呼気をすることで大きな換気量が得られるとされている。しかし、シルベスター法の換気量を定量的に報告したものはない。よって、本研究はシルベスター法の換気量を測定し、安静呼吸、深呼吸と比較・検討することである。<BR>【方法】<BR> 対象は呼吸器疾患の既往のない成人男性21名で、平均身長、体重、年齢はそれぞれ171.0±5.2cm、65.3±5.6kg、24.9±4.0歳である。被験者は、安静呼吸・シルベスター法・安静呼吸・深呼吸・安静呼吸または、安静呼吸・深呼吸・安静呼吸・シルベスター法・安静呼吸のどちらか一方をランダムに選択した(各呼吸時間3分、計15分)。測定姿位は全てベッド上背臥位とし、呼気ガス分析装置(COSMED社製K4b2)を用いて、安静呼吸・シルベスター法・深呼吸中の呼吸数、1回換気量を測定した。測定条件は、シルベスター法では両上肢挙上は被験者が限界を感じるところまでとし、どの呼吸においても呼吸数・呼吸様式(口・鼻呼吸)は被験者に任せた。統計的分析法は一元配置分散分析および多重比較検定(Tukey法)を用い、安静呼吸、シルベスター法、深呼吸の3分間の呼吸数、1回換気量の平均値を比較した。<BR>【結果】<BR> 呼吸数の平均は、安静呼吸13.02±3.08回、シルベスター法5.26±1.37回、深呼吸6.18±1.62回であった。1回換気量の平均は安静呼吸0.66±0.21L、シルベスター法3.07±0.83L、深呼吸2.28±0.8Lであった。呼吸数は、分散分析で主効果を認め(p<0.01)、多重比較検定にて安静呼吸・シルベスター法と安静呼吸・深呼吸との間に有意差(p<0.01)を認めたが、シルベスター法・深呼吸との間に有意差は認めなかった。1回換気量は、分散分析で主効果を認め(p<0.01)、多重比較検定にて安静呼吸・シルベスター法・深呼吸のいずれにも有意差を認めた(p<0.01)。<BR>【考察】<BR> シルベスター法は深呼吸に比べ1回換気量が高値を示した。これは、上肢挙上に伴う体幹伸展・胸郭拡張がシルベスター法の方が深呼吸より大きくなり、1回換気量が増加したものと考えられる。開胸・開腹術後患者は、術創部の疼痛により呼吸に伴う胸郭拡張が制限されやすい。それにより、呼吸補助筋を利用して呼吸数を増加させ、非効率的な呼吸に陥りやすい。今回、健常者を対象に測定した結果、シルベスター法は胸郭拡張性を促し、1回換気量の増加が図れたことから、開胸・開腹術後患者に対して有効である可能性が示唆された。
著者
丸山 仁司
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.53-58, 2005 (Released:2005-06-30)
参考文献数
3
被引用文献数
2 2

バイタルサインとは,生命の基本的な徴候のことで,脈拍,呼吸,体温,血圧をいい,それらについて,定義,概要,測定方法,測定結果の解釈について述べる。特に,脈拍は,心拍数との関係,脈の触診と異常,呼吸は,呼吸の異常,呼吸音,体温では発熱,血圧では高血圧などについて述べる。
著者
斎藤 昭彦 丸山 仁司 新井 正一 橋本 光康 金場 敏憲 岩谷 力
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
国際医療福祉大学紀要 (ISSN:13424661)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.35-43, 1998-12-25

この研究の目的は,MR画像から1)生体の大腿四頭筋全体あるいは個々の筋の各高位における筋断面積および筋容積を求め,臨床応用のための基礎データを提供すること,2)最大筋断面積や筋容積と,等運動性筋トルクとの関係性を検討し,最大断面積,筋容積といった筋形態学的情報から等運動性筋トルクの推定の可能性を探求することであった.健常大学生20名のMR画像から右大腿四頭筋の筋断面積および筋容積を求めた結果,大腿四頭筋の最大筋断面積は43±12.7cm^2,筋容積は1055±353cm^3であり,最大筋断面積と筋容積との間には相関係数0.981の高い相関が認められた.また,最大筋断面積,筋容積と,等運動性筋トルクとの間にも高い相関が認められ,MR画像からの形態学的情報である大腿四頭筋の最大筋断面積および筋容積から等運動性筋トルクの推定が可能であった.
著者
小野田 公 金子 純一朗 森田 正治 丸山 仁司
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2013, 2014

【はじめに,目的】携帯電話の普及およびソーシャルネットワーキングサービス(以下SNS)の利用者増加に伴い,インターネットワーク上でのコミュニケーションが増加している。総務省における平成24年版 情報通信白書によるとソーシャルメディアの利用者は,スマートフォン等の普及により急速に増加しつつあり,世界的にSNSサービスを提供しているFacebookの利用者は,既に9億人に達していると報告されている。また,平成23年通信利用動向調査では,スマートフォン,タブレット端末の利用者においてソーシャルメディアの利用率がパソコンや携帯電話に比べて高くなる傾向にあることが報告されている。SNSは,コミュニケーションや情報収集ツールとして非常に有用であるが,最近,倫理観を問われる不適切な行為も散在され,画像および発言内容が報道や事件へと発展している。また,SNSを利用した医療系職員や実習生による個人情報保護的観点や職業倫理観にかける記載が問題となっており,利用に関しての医療系大学生への教育やガイドラインの整備が必要となってきている。本研究では,本学理学療法学科学部生のSNSの利用実態及び情報流出に関する対策についてアンケートを作成し調査した。また,実習中のSNSの利用実態についても調査した。【方法】平成25年,本学理学療法学科に在籍している3年生99名(男性47名21.3±2.1歳,女性52名21.0±1.7歳)を対象に,評価実習終了後アンケート調査を実施した。本調査ではSNSの種類として,総務省の「平成23年通信利用動向調査」を参考にSNS:mixi,Facebook,LINE,マイクロブログ:Twitter,ブログ:Amebaブログ,ソーシャルゲーム:Gree,モバゲーのサービスを挙げた。アンケート調査項目は,(1)SNS利用状況,(2)SNS使用頻度,(3)パスワード管理,(4)公開制限の有無,(5)人物画像掲載の経験,(6)撮影人物への掲載許可の有無,(7)拡散機能知識確認,(8)肖像権,著作権侵害の認識確認,(9)ネット詐欺の知識確認,(10)実習中のSNS利用状況,(11)実習中のSNS使用頻度,(12)実習中のSNS使用内容とした。回答形式は2項選択法,自由記載方式を用いた。【倫理的配慮,説明と同意】全対象者には研究の趣旨・方法について事前に説明し,同意を得た上で無記名にて調査を行った。個人や実習施設を特定するような設問はなくし,情報管理には十分留意した。なお,本研究は国際医療福祉大学倫理審査委員会の承諾を得ている(承認番号:13-Io-139)。【結果】対象者99名全員が複数種類のSNSを利用していた。使用しているSNSの種類は,mixi8名(3.4%),Facebook50名(21.3%),LINE97名(41.3%),Twitter72名(30.6%),Ameba5名(2.1%),Gree1名(0.4%),モバゲー2名(0.9%)であった。使用頻度は,1日1回が最も多く47名(47.5%),次いで1日5回以上が28名(28.3%),1日3~4回7名(7.1%),1日2回5名(5.1%)であった。パスワード変更の定期的実施者は1名,無断掲載が肖像権侵害となる知識を持っている者は85名,実際に撮影人物の掲載許可をとっている者は24名であった。評価実習中にSNSを活用した学生は,73名(73.7%)であった。実習中に活用したSNS種類は,Facebook16名(12.9%),LINE69名(55.6%),Twitter38名(30.6%),Ameba1名(0.8%)であった。実習中の使用頻度に変化がなかったのは54名(54.5%),増加9名(9.1%),減少36名(36.4%)であった。実習中の使用頻度は,もっとも多く増加したのが1日5回以上で4名(4.0%)であった。実習中のSNSの活用方法では,実習生同士の情報交換・共有や励まし等の記載が多く見られた。また,少数であるが,実習中の自分の気持ちをTwitterへ書き込んでいた。【考察】今回の結果よりほとんどの学生が日常的に複数のSNSを頻回に利用していることがわかり,個人情報流出に関する対策不足が認められた。また,実習中に半数以上の学生がSNSを利用しており,頻度としては半数の学生は変化がなかった。活用方法としては,実習生の情報交換や共有に使われおり,患者様の検査結果を含んでいることが認められた。このことから本学生のSNS利用でのメディアリテラシーや医療系学生としての守秘義務についての教育及び指導の必要性が示唆された。また,医療系総合大学としてのソーシャルメディア利用のガイドラインの整備が急務である。【理学療法学研究としての意義】現在,SNS利用者の増加により医療系学生実習時の医学的情報の画像や記載が問題となっている。そのため実習前のSNS利用についての対策が急務である。今後,本学でも医療系学生のためのガイドラインの作成や指導などについて具体的な対策を講じていきたい。
著者
湯口 聡 森沢 知之 福田 真人 指方 梢 増田 幸泰 鈴木 あかね 合田 尚弘 佐々木 秀明 金子 純一朗 丸山 仁司 樋渡 正夫
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.D0672, 2005 (Released:2005-04-27)

【目的】 開胸・開腹術後患者に対して呼吸合併症予防・早期離床を目的に、呼吸理学療法・運動療法が行われている。その中で、ベッド上で簡易に実施可能なシルベスター法を当院では用いている。シルベスター法は両手を組み、肩関節屈伸運動と深呼吸を行う方法で、上肢挙上で吸気、下降で呼気をすることで大きな換気量が得られるとされている。しかし、シルベスター法の換気量を定量的に報告したものはない。よって、本研究はシルベスター法の換気量を測定し、安静呼吸、深呼吸と比較・検討することである。【方法】 対象は呼吸器疾患の既往のない成人男性21名で、平均身長、体重、年齢はそれぞれ171.0±5.2cm、65.3±5.6kg、24.9±4.0歳である。被験者は、安静呼吸・シルベスター法・安静呼吸・深呼吸・安静呼吸または、安静呼吸・深呼吸・安静呼吸・シルベスター法・安静呼吸のどちらか一方をランダムに選択した(各呼吸時間3分、計15分)。測定姿位は全てベッド上背臥位とし、呼気ガス分析装置(COSMED社製K4b2)を用いて、安静呼吸・シルベスター法・深呼吸中の呼吸数、1回換気量を測定した。測定条件は、シルベスター法では両上肢挙上は被験者が限界を感じるところまでとし、どの呼吸においても呼吸数・呼吸様式(口・鼻呼吸)は被験者に任せた。統計的分析法は一元配置分散分析および多重比較検定(Tukey法)を用い、安静呼吸、シルベスター法、深呼吸の3分間の呼吸数、1回換気量の平均値を比較した。【結果】 呼吸数の平均は、安静呼吸13.02±3.08回、シルベスター法5.26±1.37回、深呼吸6.18±1.62回であった。1回換気量の平均は安静呼吸0.66±0.21L、シルベスター法3.07±0.83L、深呼吸2.28±0.8Lであった。呼吸数は、分散分析で主効果を認め(p<0.01)、多重比較検定にて安静呼吸・シルベスター法と安静呼吸・深呼吸との間に有意差(p<0.01)を認めたが、シルベスター法・深呼吸との間に有意差は認めなかった。1回換気量は、分散分析で主効果を認め(p<0.01)、多重比較検定にて安静呼吸・シルベスター法・深呼吸のいずれにも有意差を認めた(p<0.01)。【考察】 シルベスター法は深呼吸に比べ1回換気量が高値を示した。これは、上肢挙上に伴う体幹伸展・胸郭拡張がシルベスター法の方が深呼吸より大きくなり、1回換気量が増加したものと考えられる。開胸・開腹術後患者は、術創部の疼痛により呼吸に伴う胸郭拡張が制限されやすい。それにより、呼吸補助筋を利用して呼吸数を増加させ、非効率的な呼吸に陥りやすい。今回、健常者を対象に測定した結果、シルベスター法は胸郭拡張性を促し、1回換気量の増加が図れたことから、開胸・開腹術後患者に対して有効である可能性が示唆された。
著者
細木 一成 丸山 仁司 福山 勝彦 鈴木 学 脇 雅子
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.38 Suppl. No.2 (第46回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.AbPI2012, 2011 (Released:2011-05-26)

【目的】体幹筋の筋緊張軽減や、リラクゼーション効果を得る手段として乗馬療法やフィットネス機器のジョーバなどの先行研究が発表されている。第45回日本理学療法学術大会において立位、座位バランス能力が低下した方にロッキングチェアの自動振幅運動で同様の効果が得られるのではと考え、体幹後面筋の筋緊張が有意に低下することを発表した。今回、体能力低下や、認知症などによりロッキングチェアによる自動的振幅運動の遂行が困難な方を対象に他動的に振幅運動を行ない、自動振幅運動と同様に効果の有無を検討した。効果判定の手段として、他動的振幅運動前後のFFD(finger-floor distance)の変化を測定し、若干の知見を得たので報告する。【方法】被験者は都内理学療法士養成校に在学する腰部に整形外科的既往疾患のない成人男女10名(男性4名、女性6名、平均年齢21.2±0.8歳)とした。5分間の安静座位を取らせた後、床上を-とし0.5cm刻みでFFDの測定を行なった。次に被験者をロッキングチェア(風間家具のヨーロッパタイプ)上に安楽と思われる姿勢で着座させた。下肢を脱力し床に足底を接地した状態で、人為的に3分間前後に揺らすことを指示した。振幅させる周期は各被験者がロッキングチェアに着座した状態で起こる固有の振動数と同期させた。振幅の大きさは後方には足底を設置した状態が保て、前方にはバランスを崩し体幹後面筋に筋収縮が起こる防御姿勢を取らない範囲とし、3分間被検者が安楽に感じるように配慮した。ロッキングチェアでの運動後、施行前の方法でFFDの測定を行なった。運動前後のFFDおよび前方移動能力の値についてウィルコクソンの符号順位和検定を用いて比較検討した。有意水準は5%未満とした。なお統計処理には統計解析ソフトエクセル統計2008 for Windowsを使用した。【説明と同意】被験者に対し目的・方法を十分説明し理解、同意を得られた者のみ実施した。実施中に体調不良となった場合は速やかに中止すること、途中で被験者自身が撤回、中断する権利があり、その後になんら不利益を生じず、また個人情報は厳重に管理することを事前に伝えた。【結果】FFDは振幅運動前で平均-8.5cm±11.1cm、振幅運動後で平均-1.6cm±8.7cmと振幅運動後に有意に増加した(p<0.01)。【考察】FFDが有意に増加したのは、ロッキングチェアによる他動的振幅運動で、体幹後面筋に対する筋緊張の変化が得られたと考えられる。佐々木らによれば体幹の筋緊張、体幹回旋筋力といった体幹部分の機能異常や能力低下が、片麻痺患者の寝返り、起き上がりなどの動作を困難にすると述べ、柏木らによればFFDの増加を伴う体幹の柔軟性の改善は、高齢慢性有疾患者の活動性向上や、意欲向上が認められると述べている。これらより高齢慢性有疾患者の寝返り、起き上がりなどの基本動作能力、意欲の向上を考えると理学療法士が個別に行なう理学療法以外に、高齢慢性有疾患者自身もしくは家族が自主的に行なう運動が必要となってくる。このような運動は継続することが重要で、簡便さが必要になり負担が大きければ継続が困難となる。これらのことを考慮し簡便で安価に導入できるロッキングチェアの他動的振幅運動は、体幹筋の機能異常が原因で、寝返り、起き上がりなどの基本動作能力、意欲の低下している高齢慢性有疾患者に対して有効で、好影響を及ぼすものと推測する。【理学療法学研究としての意義】ロッキングチェアを使用した他動的振幅運動はFFDの増加を伴う後部体幹筋の柔軟性の改善に効果があり、高齢慢性有疾患者が自主的に行なう運動に対し有効であると考える。
著者
山口 育子 内田 学 丸山 仁司
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.113-119, 2019-05-31 (Released:2019-06-28)
参考文献数
23

【目的】高齢者の呼吸筋力,呼吸機能をはじめとする身体機能の実態把握と,運動耐容能との関連因子について検討した.【方法】歩行が自立した地域在住高齢女性60名を対象とした.呼吸筋力はPImax,PEmax,呼吸機能はVC,FVC,FEV1.0,PEF,運動機能は握力,膝伸展筋力,歩行速度,CS-30,TUG,片脚立位,FR,6MWD,身体組成は筋量,筋率を測定した.対象者の握力と歩行速度の結果から運動機能低下群(低下群)と運動機能維持群(維持群)の2群に分け,2群間の比較と,群ごとの6MWDと膝伸展筋力,歩行速度,VC,PImax,PEmax,SMIとの関連性を重回帰分析にて分析した.【結果】筋量,筋力は年代別基準値と近似したが,呼吸筋力,呼吸機能と運動耐容能は予測値より低く,低下群は維持群より有意に低値であった.低下群では運動耐容能の関連因子として呼吸機能が選択された.【結論】握力や歩行速度が低下してきた高齢者の運動耐容能の維持には,呼吸機能,呼吸筋力の重要性が示唆された.
著者
生方 瞳 丸山仁司 霍 明
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.348-356, 2017 (Released:2017-10-20)
参考文献数
35
被引用文献数
1

【目的】本研究は,中高年女性における腹圧性尿失禁とインナーユニットの関係について検討した。さらに,動作課題の妥当性について,骨盤底拳上量による腹圧性尿失禁検出度を比較した。【対象と方法】中高年女性101 名を対象とした。質問紙表にて尿失禁群と非尿失禁群に群分けした。握力,CS-30 テストに加え超音波画像診断装置を用いて腹横筋厚,多裂筋横断面積,骨盤底拳上量を測定した。【結果】尿失禁群はすべての筋で,同時収縮および抵抗運動で非尿失禁に比べ有意に低値を示した。尿失禁を従属変数としたロジスティック回帰分析で選択された因子は,抵抗運動時の骨盤底挙上量であった。【考察】インナーユニットは協同運動しており,特に抵抗運動時の骨盤底挙上量の低下は腹圧性尿失禁のリスクファクターであることが示唆された。さらに,抵抗運動時の骨盤底挙上量が4.88 mm 以下である場合は腹圧性尿失禁の可能性が著しく高いことが示唆された。
著者
岩本 直也 藤 大樹 勝平 純司 丸山 仁司 満倉 靖恵
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.341-344, 2012-06-20
参考文献数
8

〔目的〕右ストレートパンチ動作における,初心者への指導ポイントを抽出するために,群間(経験・未経験)における骨盤の動きを比較した.〔対象〕競技経験者5名(27.3&plusmn;4.5歳)と未経験者7名(22.3&plusmn;1.2歳)とした.〔方法〕実験では三次元動作分析システムを用いて,パンチ動作は3回計測した.測定項目は骨盤の回旋角度と回旋角速度,および回旋時間とした.骨盤の最大回旋角度を基準とし,加速期と復元期に分割した.各期間における各測定項目の平均値を用いて,経験群と未経験群に対して有意差検定を行った.〔結果〕群間における最大回旋角度と両期間の最大角速度,および復元期の平均角速度に有意差を確認した.〔結語〕ボクシング初心者の指導では,すかさず&ldquo;構え&rdquo;に戻れるように指導する必要性が示唆された.<br>
著者
潮見 泰蔵 丸山 仁司 秋山 純和
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.693-694, 1987-10-15

Ⅰ.初めに 床上における種々の移動動作は,その移動形態から,いざる(shuffling),這(は)う(creeping),歩く(walking)などに大別することができる.その中でも,横いざり(片麻痺型),四つ這い,膝歩きは,脳卒中片麻痺患者や脳性麻痺児をはじめ,種々の運動障害者の床上における移動手段および訓練方法として,しばしば用いられる.これらの動作は,直立歩行と比べ,低重心かつ広支持基底面をもつ点では共通しているが,推進する際の上下肢の使われかたは,各動作で大幅に異なっている.したがって,この差異がエネルギー消費に及ぼす影響も大きいのではないかと推察される.一方,移動動作が実用化するか否かについては,その動作に要するエネルギー消費に関連するとも言われる.そこで,今回,いざり,四つ這い,膝歩きについて,これら三つの動作の運動強度を比較・検討するための基礎的資料を得ることを目的に,物理的負荷量を一定にした場合の各動作のエネルギー消費などを測定したので報告する.
著者
河西 理恵 丸山 仁司
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.303-308, 2009 (Released:2009-05-28)
参考文献数
13

[目的]現在,欧米を始めとする諸外国では,2:1ないしは3:1モデルの臨床実習(実習指導者1人に対し学生2名あるいは3名)が主流となっている。本総説の目的は,過去に欧米諸国で行われた2:1モデルの研究から,効果やメリットおよび問題点を検証することである。[方法]1990年以降に理学療法学科の学生を対象に行われた2:1ないしは3:1の臨床実習モデルに関する論文を検索した。検索にはMEDLINE,CINAHLを用いた。検索の結果,6論文(量的研究3編,質的研究3編)を抽出した。[結果]全ての論文が,2:1モデルの効果を示していた。メリットとして特に多く挙げられていたのが,協同学習とピアサポートであった。また,2:1モデルは従来の1:1モデルと比べても,メリットが多く,デメリットが少ないことが示唆された。一方,問題点として,学生の学力差や性格の違いといった指摘が多かった。[結語]今回の結果から2:1モデルの有効性はある程度示されたが,参加者や対象施設の少なさ,および論文数自体の少なさなどから,2:1モデルのエビデンスが十分に確立されたとは言い難い。今後の課題として,研究方法の改善や研究数自体を増やすとともに,近い将来,我が国独自の2:1モデルの研究が始まることを期待する。
著者
濱中 康治 丸山 仁司 室生 祥
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.B3O2101, 2010

【目的】<BR> 脳血管障害(以下、脳卒中)患者に対して急性期から効果的・効率的なリハを実施するためには、その症例の予後を正確に予測したうえで介入することが求められる。また、転帰先・転帰時期を決定するためにも発症後早期から予後を予測する必要がある。<BR> 脳卒中の予後予測に関して、Koyamaらによる対数モデルを用いた予後予測方法が報告されている。この方法は脳卒中の機能回復が自然対数曲線に類似していることに着目し、機能的自立尺度(Functional Independence Measure:以下、FIM)を複数回測定してその変化分を対数変換することで予測式を算出し、将来のFIM得点を予測するというもので、FIMの得点変化のみを用いるため臨床的に簡便で優れた方法である。ただし、この研究は発症後30日以上経過して回復期リハ病院に入院した症例を対象としており、急性期患者への適応の可能性は検証されていない。<BR> そこで今回の研究では、この対数モデルを用いた予後予測式の急性期への適応の可否を検討する。<BR><BR>【方法】<BR> 対象は、2008年4月から2009年4月までに当院脳神経外科および内科に入院した脳卒中片麻痺患者で、その後回復期リハビリテーション病棟に転科、リハを継続して3ヶ月以上実施した29名(脳卒中再発・くも膜下出血を除く)。年齢は64.6±10.9歳、男性21名、女性8名、脳出血例20名、脳梗塞例9名であった。<BR> Koyamaらの対数モデルを用いた予測式とは、発症A日目のFIM総得点はFIM(days A)=βln(days A)+定数 に近似することを利用するもので、FIM得点変化ΔFIM=βln(Day B)-βln(Day A)=βln(Day B/Day A) β=ΔFIM[ln(Day B/Day A)]<SUP>-1</SUP> 発症X日におけるFIM予測値=FIM(Day A)+βln(Day X/Day A) (lnは自然対数)の計算式で算出する。<BR> FIMの採点はリハ介入開始時(発症から5.2±1.3日)、介入から2週時、1ヶ月時、2ヶ月時、3ヶ月時に実施した。リハ介入開始時と2週時のFIM実測値から2ヶ月時、3ヶ月時のFIM予測値を、2週時と1ヶ月経過時のFIM実測値から2ヶ月時、3ヶ月時のFIM予測値を算出し、病型別に各時期の予測値と実測値を比較した。<BR><BR>【説明と同意】<BR> 対象者には、本研究の主旨と方法について説明し、非侵襲性の評価であり治療上の効果判定の一環として実施する旨を伝え、同意を得た。<BR><BR>【結果】<BR> 脳出血例において、リハ介入開始時と2週時のFIM得点から得られた予測値と実測値は、2ヶ月時でR<SUP>2</SUP>=0.666、3ヶ月時でR<SUP>2</SUP>=0.660、2週時と1ヶ月時のFIM得点から得られた予測値と実測値は、2ヶ月時でR<SUP>2</SUP>=0.886、3ヶ月時でR<SUP>2</SUP>=0.734となった。脳梗塞例においては、リハ介入開始時と2週時のFIM得点から得られた予測値と実測値は、2ヶ月時でR<SUP>2</SUP>=0.910、3ヶ月時でR<SUP>2</SUP>=0.837、2週時と1ヶ月時のFIM得点から得られた予測値と実測値は、2ヶ月時でR<SUP>2</SUP>=0.921、3ヶ月時でR<SUP>2</SUP>=0.872と高い相関を示した。<BR><BR>【考察】<BR> 今回の結果から、対数モデルを用いた脳卒中患者の予後予測方法は、脳出血・脳梗塞、どちらの病型においても、急性期からの予後予測が一定水準以上の精度で可能であると言える。しかし、脳出血例ではリハ介入開始時のFIM得点を用いた場合は予測精度がやや低下した。これはリハ介入開始時に意識障害を伴う症例も多く、2回のFIM採点の間に認知FIM項目が大きく改善したために予測精度が低下したものと考えられる。また、急性期は医学的管理のために症例の活動が制約されていることも予測精度の低下につながっていると思われる。ただし、おおよそ医学的管理上の活動制限が解かれたと思われる2週時と1ヶ月時のFIM得点を用いた場合は予測値と実測値が高い一致率を示しており、予後予測の精度は概ね保障されたと言える。今後は医学的管理上の制限が無くなった時点で初回のFIMを採点し予測に用いることで、更なる予測精度の向上が望めるのではないか。また、この予測方法を脳卒中急性期に導入した場合、多くの症例で実測値が予測値を上回る傾向があったため、臨床的には有益で導入しやすい方法であると考えられる。<BR><BR>【理学療法学研究としての意義】<BR> 急性期脳卒中患者に対しての適応が証明されることで、簡便な方法で正確な予測が可能となり、早期から予後を見据えた介入が可能となるため、臨床的に有意義な研究であると考えられる。
著者
齋藤 孝義 丸山 仁司 菅沼 一男 鈴木 知也
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.389-392, 2014 (Released:2014-07-03)
参考文献数
18
被引用文献数
1

〔目的〕考案した「座位での連続底背屈運動テスト」の測定値の再現性を検討することとした.〔対象〕65歳以上の高齢者の検者内再現性は16名(男性1名,女性15名),検者間再現性は14名(男性2名,女性12名)とした.〔方法〕検者内再現性の測定は1名の検者が2日間以上の間隔をあけて2日間行い,検者間再現性の測定は1名の被検者に対し,2名の検者がそれぞれ2回の測定を行った.検者内再現性および検者間再現性の評価は級内相関係数のそれぞれ,ICC(1,1)およびICC(2,1)により行った.〔結果〕検者内再現性の級内相関係数ICC(1,1)は,0.915,検者間再現性ICC(2,1)は0.932であった.〔結語〕再現性は良好であり,簡便かつ安全に実施でき,臨床の現場でも有用であると考えられる.
著者
齋藤 孝義 丸山 仁司 菅沼 一男 鈴木 知也 佐野 徳雄 岩瀬 洋樹
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.29, no.5, pp.805-808, 2014 (Released:2014-10-30)
参考文献数
17
被引用文献数
1

〔目的〕本研究は,座位での連続底背屈運動テストを転倒予測として用いることができるのか検証することを目的とした.〔対象〕対象者は65歳以上の高齢者50名とした.〔方法〕転倒群と非転倒群に分け,連続底背屈テスト,timed up & go test,functional reach test,5 m全力歩行テスト,立位つま先テストを評価した.その後,転倒と関係についてロジスティック回帰分析を用いて検討した. 〔結果〕2群間で全ての運動機能に差が認められた.ロジスティック回帰分析の結果,転倒の有無に影響する変数として底背屈テスト,立位テストが選択された.〔結語〕連続底背屈テストは座位で行なうことができ,安全,簡便に理学療法士以外でも実施できる転倒予測指標として有益であると考えた.
著者
岩佐 知子 菅沼 一男 知念 紗嘉 丸山 仁司
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.23-26, 2011 (Released:2011-03-31)
参考文献数
12
被引用文献数
1

〔目的〕中学生野球選手が青少年の野球障害に対する提言での上限である70球投を投げることによる投球前後の肩関節機能の変化について検討した。〔対象〕中学生野球クラブチームに所属する男性投手10名であった。〔方法〕投球前後に投球側の肩関節内旋可動域および肩関節内外旋筋力,疲労度,球速の測定を行った。投球は実践投球を意識しストレートと変化球を合わせた計70球とした。投球前後の肩関節内旋可動域および肩関節内外旋筋力,疲労度については,対応のあるt検定を用い,球速については1元配置の分散分析を用いて分析を行った。〔結果〕肩関節内旋可動域は投球後に可動域が有意に減少した。肩関節内外旋筋力は投球前後において筋力に差が認められなかった。肩関節の疲労度は,投球前後において有意に増加したが,球速については差が認められなかった。〔結語〕高校生を対象とした報告と同様に投球後は肩関節内旋可動域が低下し,肩関節内外旋筋力は差が見られなかった。したがって,投球練習後は肩関節外旋筋のストレッチを行う必要があると考えられた。