著者
松山 研二 牛久保 量平 砂長 武志
出版者
The Kitakanto Medical Society
雑誌
北関東医学 (ISSN:00231908)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.199-204, 1966

外傷性大動脈破裂は, 交通外傷などにより, 上半身とくに胸部に激しい鈍的な外力が加わった際に生ずるもので, まったく病的変化のない健常な大動脈が, 外傷を与えた物体による直接損傷, あるいは骨折などによる損傷ではなしに, 特発的に一定の部で破裂する。この外傷性大動脈破裂の破裂部位や裂け方はかなり特徴的なので, 生前どのような外力が加わったかをある程度推察することができるほどである。<BR>近年, 欧米諸国においては交通機関の発達とともに, 自動車事故や飛行機事故による外傷性大動脈破裂の増加が報告されているが, わが国においては昭和10年より昭和40第に至る30隼間に, 明らかに外傷性大動脈破裂と考えられる報告は谷 (墜落死)の1例にすぎない。<BR>最近, わたくしたちは自動車事故によって生じた外傷性大動脈破裂の典型的な1例を経験したのでここに報告する。