著者
松岡 敬二 井上 恵介 川瀬 基弘
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.127, no.6, pp.333-344, 2021-06-15 (Released:2021-09-30)
参考文献数
71

鮮新-更新統古琵琶湖層群は,三重県から滋賀県にかけて分布する湖沼および河川堆積物からなる.古琵琶湖層群からの哺乳類や貝類化石は,江戸時代の弄石(ろうせき)仲間では広く知られる存在であった.今回の巡検地である伊賀盆地(上野盆地)東方の大山田地域は,古琵琶湖層群の下部が分布し,日本の鮮新世を代表する化石を産出している.その熱帯~亜熱帯要素を含む淡水生動物化石は,伊賀非海生動物群としてまとめられている.この巡検では,それらが産出した地層を案内し,露頭の現地保全とその重要性について論議するものである.