著者
安藤 達彦 舘 博 松岡 景子 吉田 宗弘
出版者
日本健康医学会
雑誌
日本健康医学会雑誌 (ISSN:13430025)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.67-72, 2000-06-25
参考文献数
3

首都圏および関西圏に在住する20歳前後の女子学生を調査対象として,健康意識と食行動に関するアンケート調査を行った。その結果,「健康である」と意識している学生は両地域で88%以上を示した。「体力に自信がある」と答えた学生は首都圏が有意に多かった。学生の平均睡眠時間は首都圏に比べて関西圏が有意に長かった。学生の90%以上が何らかのストレスを感じていた。ストレス解消法は「スポーツをする」が首都圏に多く,「カラオケ」が関西圏に多かった。朝食の主食は首都圏は「米飯」,関西圏は「パン食」が多く有意な差があった。学生の健康食品の利用目的は両地域とも「栄養補給」が最も多かったが,関西圏では「美容のため」も多かった。情報化社会の発達により人々への情報の伝達速度が増し,情報の地域的な片寄りはほとんどないといれわている。しかし,首都圏および関西圏という東西2つの地域で健康意識や食行動を比較すると,生活環境や文化の違いが現代の若者にも多少現れている結果となった。