著者
末松 大二郎 松岡 武夫
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.43, no.8, pp.586-593, 1988-08-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
4

四つの力ならびに物質と時空とを統一する理論として最近注目を集めている超弦理論と, そこから導かれる低エネルギー有効理論について概括する. 超弦理論は高次元時空において定義されており, 4次元以外の余分な次元の空間がコンパクト化される結果として4次元理論が得られる. 導出される低エネルギー有効理論は, このコンパクト空間の位相構造と密接に関係している. いわゆる標準模型を含むなど, 低エネルギー有効理論として満すべき現実的条件と, コンパクト空間の位相構造との関係や超弦理論の実験的検証の可能性について述べる.