著者
松岡 江里奈
出版者
佛教大学大学院
雑誌
佛教大学大学院紀要. 社会福祉学研究科篇 (ISSN:18834019)
巻号頁・発行日
no.49, pp.109-125, 2021-03-01

本稿は,韓国のソウル市で2016 年から制度化している青年手当に焦点を当て,韓国で展開されている若者支援について検討を加えるものである。青年手当は,韓国の青年たちが自ら,その政策を提言し議論するなかで制度化した経緯がある。筆者は,その青年たちによる運動の背景には,韓国の代案教育運動や,市民運動によって生み出された社会的企業,さらには協同組合等の連帯経済を創り出す主体,つまり社会を変革する運動の主体を育ててきた実践があると考える。本稿では,今日の韓国の若者たちが抱えている深刻な生活問題とそれを支える支援制度に焦点を当て,その運動の主体を育てる学びと運動への参加が,主体的な社会参加を保障すると考え,その実践を行うソウル市青年活動支援センターの今後の運動課題を考察する。若者支援自立支援韓国青年手当時間の保障