著者
松島 潤治 大西 晴夫 西村 聡子 持田 徹
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会 論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.58, pp.153-162, 1995-06-25 (Released:2017-09-05)
参考文献数
22

温熱環境の快適性・省エネルギー性の向上を図るうえで,着衣の影響の評価は重要である.本研究では,着衣量の差による断熱性の違いが人体の部位別温熱特性に及ぼす影響の実測を行い,下記の結果を得た.着衣量の増加による皮膚温の上昇は,下たい(腿)部・足背部の末しょう(梢)部において顕著であり,人体から環境への顕熱(対流+放射)放熱量の減少は,胸部・腹部の大幹部において顕著であった.またこれらの結果を,代謝量を1metとして2-nodeモデルの理論値と比べたところ,全身の平均皮膚温・顕熱放熱量について,定性的には比較的良い一致を示したが,定量的には若干の差異が生じた.