著者
松崎 潤太郎
出版者
東京医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究は、初代分離培養した膵外分泌細胞に対して低分子化合物を曝露させ、in vitroでパーシャルリプログラミングを行って膵前駆細胞を樹立し、この細胞に胆汁酸によるストレス刺激を与えることで膵発がん初期の環境をin vitroでモデル化し、膵発がん超初期のバイオマーカーとなるmicroRNAの同定を試みるものである。我々は成熟肝細胞を特定の低分子化合物を含む培地で平面培養することにより肝前駆細胞を誘導することを報告した(eLife 8:4, 2019)。同様に、膵管上皮細胞が膵前駆細胞の由来細胞であることも見出し、この膵前駆細胞は特定の培養環境下においてインスリンを分泌する細胞にも分化し得た。この膵前駆細胞へ、膵管内に存在しうると想定される縫合型胆汁酸を曝露させ、マイクロアレイ解析によってmiRNAの変動を評価した。同定されたmiRNAに対して、その機能解析を進めている。