著者
五十嵐 中 松崎 稔矢 滕 麗達 長谷川 紗由美 常深 祐一郎
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.131, no.4, pp.719-731, 2021-04-20 (Released:2021-04-21)
参考文献数
26

ホスラブコナゾールL-リシンエタノール付加物(F-RVCZ)を含む爪白癬に対する薬剤の費用対効果を,完全治癒率と質調整生存年(quality-adjusted life years:QALY)をアウトカムとして評価した.各薬剤の標準的な投与期間における投与開始48週間後の評価をした場合,F-RVCZを最も安価のテルビナフィン後発品と比較すると,費用は57,361円増大し,完全治癒率は20.7ポイント増加する.完全治癒者1人増加当たりの増分費用効果比は,277,155円,1 QALY獲得あたりの増分費用効果比は1,979,681円となり,一般的に許容可能な上限値(500~600万円/QALY)の水準を下回っており,費用対効果に優れた薬剤であると判断した.