著者
松平 雄策
出版者
新潟大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2012

未曾有の被害をもたらした東日本大震災。2年経過した今日でも未だに、震災の爪跡を残した被災地の様子がマスコミ等で映し出されます。当研究は震災直後、陸路等の寸断で孤立した人々を映像で目の当たりにし、空路を使用し安全を考慮した無人の輸送システム,飛行ロボットを開発できないものかと思い、先ずは動力となる小型ジェットエンジンから着手しました。さらに、研究者の所属する熱工学研究室では、様々な熱機関も講義に取り入れており、学生にエンジン構造を享受するのにも役立つものと思い、この研究テーマとしました。研究者が所属する研究室に於いては、創造性豊かな技術者を育てるため、無人航空機UAV (Unmanned Aerial Vehicle)用の超小型ジェットエンジンの開発と、それを活用した民生利用UAVに、1システムの検討を創造教育に取り入れています。今回頂きました科学研究費補助金の助成により、小型模型のジェットエンジン(外郭寸法φ150mm×200mm)を製作(参考文献:ENGINES FOR MODEL AIRCRAFT by KURT SCHRECKLING)、さらにリニアガイドとロードセルを組み合わせた推力測定装置を開発しました。ジェットエンジンは手作りながら良好なアライメントが得られ(エア・コンプレッサーのエア吹きつけのみで、8000rpmを出力)、軸振れによる振動も少なく、高回転数までスムーズに運転可能となりました。またこの装置は、学生に対しても教材として活用し、熱機関,ジェットエンジンの構造を知るのに、一役を担っています。最後になりましたが、平成24年度科学研究費補助金を助成していただき、誠にありがとうございました。