著者
松本 万紀子
出版者
大阪市立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

妊娠高血圧症の病態には、胎盤虚血や血管内皮障害が一因であると考えられている。アネキシンファミリーの一つであるAnnexin A2は線溶活性増強因子であり、今回の研究で正常妊娠に比し妊娠高血圧症例の胎盤ではAnnexin A2が高発現を示すことを確認した。さらに臨床経過の異なる二つの妊娠高血圧症群間で比較検討した。結果は状態の安定している妊娠高血圧症に比し、急性増悪のため急遂分娩を要した症例群はmRNAの発現が有意に上昇しており、児の出生体重も有意に低下していた。母体状態のみならず、胎児胎盤系の病態にもAnnexin A2が関与していることが示唆された。