- 著者
-
松本 信愛
- 出版者
- 日本生命倫理学会
- 雑誌
- 生命倫理 (ISSN:13434063)
- 巻号頁・発行日
- vol.7, no.1, pp.41-43, 1997-09-08 (Released:2017-04-27)
- 参考文献数
- 1
アメリカやオーストラリア等の病院関係者のターミナル・ケアの話には、必ず「パストラル・ケア」という言葉が登場するが、日本ではまだほとんど理解されていない。現在、アメリカを中心に広がっている「病院でのパストラル・ケア」というのは、病人やその家族の「心」を専門的にケアすることである。元来、パストラル・ケアは、死に直面した人々だけを対象にしているわけではないが、特にその真価が発揮されるのは、やはり、そのような場合が多い。本稿では、筆者がアメリカの病院においてパストラル・ケアの訓練を受けたときに経験したいくつかの例を通して、パストラル・ケアというものがどのようなものであるかということを紹介し、日本の病院におけるパストラル・ケアの必要性と可能性を探ってみたい。