- 著者
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松本 恭幸
- 出版者
- 一般社団法人 情報科学技術協会
- 雑誌
- 情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
- 巻号頁・発行日
- vol.68, no.9, pp.440-445, 2018-09-01 (Released:2018-09-01)
地方紙のデジタル化の進捗状況は,個々の地方紙の抱える条件が大きく異なり,電子版の有料化についても違った対応をしている。だが今後,紙媒体の購読者が減少する中,単にニュース記事の課金ビジネスだけで乗り切ることは出来ないだろう。本稿では地方紙が今後もローカルジャーナリズムの担い手としての役割を維持していくため,ニュース配信以外にも様々なコンテンツやサービスの提供によるデジタル事業のマネタイズ化,合理化が求められる紙面づくりへの市民参加の可能性の追求,宅配網を維持するための販売店の多角化,地方紙のリソースを活かした新規事業開発等の必要性について,様々な先進的な取り組みの事例をもとに紹介する。