- 著者
- 
             
             大内 誠悟
             
             鎌田 悦夫
             
             松枝 直人
             
             西川 晶
             
          
- 出版者
- 一般社団法人 日本土壌肥料学会
- 雑誌
- 日本土壌肥料学雑誌 (ISSN:00290610)
- 巻号頁・発行日
- vol.62, no.5, pp.487-492, 1991-10-05 (Released:2017-06-28)
- 被引用文献数
- 
             
             1
             
             
             
          
        
        1)主成分がビニルアルコール・アクリル酸ナトリウム共重合体である高吸水性ポリマー(略称 SIG)およびSIGと同系統のポリマーの保水能は,溶液中の塩濃度の増加によって著しく低下する。しかしながら,その保水量は農業用水中や土壌(溶液)中では自重(乾物)の100〜300倍程度と見積もられる(水中役500倍)。2)高濃度の塩類溶液浸漬によるSIGの保水能の低下は,水または低濃度の塩類溶液で洗浄すると回復する。低pH(4以下)条件での保水能の低下は,カルボキシル基の解離度の低下によるものであり,アルカリ処理により回復する。3)SIGのカルボキシル基のほとんどすべて(5〜6meq/g SIG乾物)が陽イオン交換に関与しており,SIGを土壌に添加した場合無視できない量である。SIGは陰イオンに対しては負吸着を示し,陰イオン交換にはほとんど関与しない。