著者
松波 勲
出版者
北九州市立大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2015-04-01

1、Hybrid M2TDAC技術の開発に向けたデータ計測と解析(ア)実験車両:車両バンバー部に77GHz帯ミリ波レーダと光学カメラ、高精度カメラ、ルーフにリファレンスとして使用するレーザライダーを積載した。さらに、GNSSのタイムスタンプ機能を用いて、各センサーの同期を取り、リアルタイムデータ計測を実現した。(イ)データ計測:実験車両前方に速度の異なる3台の目標車両を走行させデータ計測を実施した。本実験では、77GHz帯MIMOレーダを使用した。(ウ)解析結果:取得したデータをHybrid M2TDACにより解析した。ビームフォーマ法を用いてしきい値以上となる全ての信号を分離・識別する。次に固有値分解を基とするMUSIC法によりを用いて各目標車両から反射される信号を検出する。その結果、車両形状の推定に必要な複数点を検出することに成功した。2、2次元立体構造再構成法の開発に向けた原理実証実験(ア)座標情報の取得:座標情報の取得方法について説明する。 MIMOレーダで取得したデータに対して到来方向推定としてMUSIC法を用いた処理を行い、 直交座標系から極座標系へ変換し、 極座標系内で車線幅の大きさの範囲で、 車両からの反射を取得し、 所得座標を座標上にプロットした。(イ)水平角方向の推定:Khatri-Rao積拡張アレー処理により水平角方向の分解能を更に向上させた。(ウ)仰角方向の推定:2次元立体構造をレーダ画像として描画するためには、仰角方向の情報も必要である。ここで我々は受信信号の経路長差に着目した。今回の実験で得られたデータから側面と背面に補正した点と補正前のレーダから経路長差を求めた。 そこから補正前の経路長から補正後の経路長で差分をとり、その差分を高さと仮定して高さを推定した。以上、学術論文3編、国際会議1件、国内会議1件、書籍1編の成果をあげている。